ウイルスの挙動は湿度によって異なります。湿気が多いと、すぐ下に落ちるけれども、40%を切るような乾燥した環境だと、長く空気中にとどまってしまう。それだけ吸いこんで感染しやすくなることから、新型コロナウイルス対策では「湿度を保つことが大事」と言われ、加湿器がよく用いられるようになりました。

しかし加湿器は、使い方を誤ると死に至ることもあるし、ほかの病気を誘発することもある。じつは危険な装置でもあります。BNUHC-03を開発したのは、ウイルス対策に売れている加湿器を安全に使えるようにしたい、ということからでした。

気にしなくてはならないのは加湿器病です。つい最近も、国内で死亡例が出ています。

加湿器病とは?

加湿器病は、加湿器内で繁殖した菌やカビが、ミストと一緒に空気中にふりまかれてしまい、それを吸いこむことで起きる病気です。継続的に菌やカビを吸いこむことで過敏性肺炎を起こし、咳・たん、胸の痛み、発熱、全身の倦怠感などに見舞われる。「ずっと咳がとまらない」「原因がわからない」という悩みがあれば、加湿器をやめてみるのがひとつの手です。

さらに深刻なのは、加湿器でレジオネラ菌が繁殖してしまうと、「レジオネラ症」を発症することです。1996年1月~2月には東京都の病院で新生児4人が発症し、1人が死亡。2017年12月~2018年1月には大分県の特別養護老人ホームで男性3人が発症し、1人が死亡しています。

加湿器には超音波式、加熱式、気化式があります。リスクが高いのは超音波式加湿器です。加熱をしないため、菌・カビが繁殖しやすい。そして、非常に性能がいいため、それを細かな粒子でふりまいてしまう。かといって他の方式では、やけどの危険があったり、加湿がはじまるまで時間がかかったりするし、ミスト性能もいまひとつ。性能をとるか、安全性をとるか、という選択です。

鍵を握るのは塩素

しかしながら、加湿器病の原因は、じつは加湿器ではありません。はっきり言えば、不適切な使い方によるものです。そしてその背景には、菌と水に対する無理解があります。たとえば、「煮出した麦茶と、水だし麦茶。長く飲めるのはどちら?」と質問されたら、多くの人が「煮出した麦茶」と答えることでしょう。煮沸=殺菌であり、煮出す過程でしっかり殺菌できていると判断できるからです。

正解は逆。水だし麦茶です。煮沸によって、水道水の塩素がすっかり抜けてしまうことがその原因です。塩素の抜けた麦茶は菌に対して無力で、早々に菌が繁殖を始めます。水だしなら、塩素が効いているので、常温密閉で3日、冷蔵で7日くらいは飲むことができるのです。

ミネラルウォーターを加湿器にいれる人もいるようです。水道水より、ずっと清潔というイメージがあるからでしょう。しかしこれも、煮沸した水と話は同じ。塩素が入っていないミネラルウォーターは、開封したその瞬間から、雑菌の攻撃を受けてしまいます(夏場にペットボトルを持ち歩いてチビチビと時間をかけて飲むのは、腹痛のもと、というのと同じ話です)。

加湿器は「詰んでいる」

このこともあり、メーカーは「水道水をいれてください」と注意書きするようになっています。塩素を含む水道水が、最も菌・カビに強いからです。

しかし、これにも二つの罠があります。第一は、塩素は常温で気体の物質であり、徐々に抜けていくという罠。加湿器に水を4日間もいれっぱなしにしていれば、塩素が抜けて、やはり雑菌が繁殖してしまいます。タンクの水を毎日入れ換えても、それだけでは防ぎきれません。水があたる部品すべてを、毎日ていねいに清掃、除菌することが必要です(加熱式・気化式加湿器は雑菌を放出しないと言われていますが、それでも装置内が雑菌・カビだらけというのは、リスクを抱えることになるので、清掃・除菌が必須でしょう)。

第二は、塩素を吸いこむことで、体調を崩す人がいる(塩素アレルギー)という罠。水道水ではなく、煮沸した水を加湿器にいれるようにしたら、咳がとまった、という例もあります。

でもそうすると、加湿器病のリスクが大きくなる。詰んでいます。

除菌と安全性の狭間

韓国で衝撃的な事件があったことも、意識せざるを得ません。オキシー・レキットベンキーザー社の「オキシー・サクサク」という加湿器向け除菌剤の事件です。この製品は、雑菌の繁殖を気にする人たちにヒット。2011年までの10年間で450万個以上を売り上げました。

しかし、この除菌剤に採用された除菌成分・ポリヘキサメチレングアニジン (Polyhexamethylene guanidine. PHMG)は、幼児および妊婦の死に繋がる重篤な肺症状を引き起こす、ヒトに危険な物質だったのです。2016年末までに政府機関に寄せられた被害者数は死者1,006人、負傷者4,306人ともいわれてています。この事件は、被害者数の多さから、「家の中のセウォル号事件」といわれる事件です。

雑菌・カビが繁殖するのは怖い。さりとて、下手な除菌剤を使うと、もっと怖い、という話です。多くの除菌剤は酸化剤であり、吸いこむと気道粘膜や肺に炎症を起こします。菌・カビ・ウイルスを怖がるのは正しいけれども、除菌剤に頼りすぎると、人命が危険にさらされる。これは新型コロナウイルス対策でも、同様な構造を観察できます。

安全なGSEをうすい濃度で使う

一方で、GSE(Grapefruit Seed Extract)は、100%天然由来の制菌剤であり、中身は抗酸化物質のカタマリです。アメリカでは、GSEを含む点鼻薬を中等程度の症状を示すCOVID-19患者に治療の補助として投与したところ、快復が早まったという論文が出ています。この論文で注目すべきは、1)当該の治験では実際にGSEを吸引させていること、2)論文中でGSEの安全性が強調されていることです。

Potential Role of Xylitol Plus Grapefruit Seed Extract Nasal Spray Solution in COVID-19: Case Series

活用がはじまってからもう30年になるGSEは、吸ったり、塗ったり、飲んだりと、さまざまな使われ方をしていますが、これまでのところ健康被害の報告がなく、高い安全性があると信頼できるものです(そこが上記論文でも評価されている)。

さらにそれを、雑菌・カビの繁殖を抑えることができるギリギリのうすい濃度で使うことを着想しました。化学物質は濃度がすべて。うすい濃度であればあるほど、確実に安全性が高まります。それがBNUHC-03(BC03)です。組み合わせたのはカーボンやイオン交換膜、何層ものフィルターを通して精製した純度の高い精製水です。環境に与える影響は最小限で済みます。

水道水との違いは、塩素とGSEの揮発性の相違に尽きます。塩素は数日で揮発しますが、GSEは時間が経過してもほとんど揮発せず、除菌効果を維持し続けます。BNUHC-03なら、性能のいい超音波式加湿器を、安全に使うことができるわけです。会議室など人が集まった空間で、湿度計をみてすぐに加湿したり、二酸化炭素計をみてすぐに換気したりといった、ちょっとした作業の連続で、感染リスクを小さくすることができます。

さらにBNUHC-18を超音波式加湿器に組み合わせると、トイレの床の除菌などに使うこともできます(加熱式と気化式はいわば蒸留水を噴霧する仕組みなので、この目的には向いていません)。ただしBC18はGSEの濃度が高いので、それを踏まえて利用してください。長時間の加湿なら、BNUHC-03がお勧めです。

GSEは抗酸化物質ですから、酸化剤である塩素系の薬剤と異なり、加湿器の端子部分を錆びさせる心配もありません(加湿器が「次亜塩素酸水対応」と宣伝しているのは、錆び対策をしてある、という意味です)。

使用前の清掃、定期的な清掃を欠かさずに

BNUHC-03はGSEを品質保持目的で利用しており、アルコールや次亜塩素酸、BNUHC-18のような除菌能力はありません。すでに菌やカビが盛大に繁殖してしまった加湿器にただセットしても、その盛大な菌・カビを抑制することはできませんので、注意が必要です。BC03をいれる前に、加湿器の水のあたる部分をすべて取り外し、よく清掃してください。あるいは、除菌力の高いBNUHC-18を最初に利用するのも手です。

また、いずれにせよ、定期的に加湿器を清掃するのが安心です。