気温があがってきました。冷えた麦茶がおいしい季節。みなさんは、どんなふうに麦茶をつくっていますか。味だけでいうと、やはり煮出すのがいいですね。煮沸するから、衛生面でも安心という感じがします。

煮出した麦茶も安全ではない

「煮沸消毒するから安心」というのは、しかし、ただの思い込みです。理由は二つあります。

  • 煮沸しても死滅しない菌もある
  • 煮沸によって水から塩素が抜けてしまう

煮沸はたいていの菌・ウイルスに有効な消毒手段です。しかし、例外もある。代表例がウェルシュ菌です。芽胞菌と呼ばれるタイプで、殻(芽胞)の中にとじこもり、100度の熱にも耐えます。カレーの食中毒はたいていこの菌のせいです(土中にふつうにいる菌なので、根菜類に付着している)。

さて、エフコープ生活協同組合商品検査センターの麦茶の実験(記事)では、

  1. 煮出して急速冷却し、冷蔵庫
  2. 煮出して常温放置し、冷えてから冷蔵庫
  3. 最初から冷蔵庫に入れて水だし

の3種類を比較。最も早く雑菌が増えたのは2でした。成績順(長持ちした順)に並べると、1-3-2となっています。2の成績が低い理由は、「冷ます間に、菌が好む温度30度~40度になる。麦茶が(細菌が増えやすい温度に)置かれる時間が長くなると菌が増えやすくなる」(リンク先記事より引用)ということです。

その通りだと思いますが、もうひとつ大事な要素があるので書いておきます。煮沸することによって、水道水中の塩素が飛んでしまうことです。3の成績が意外といいのは、水だしなら、水の中の塩素が2日くらいはもつことが大きい。また、この実験からもうひとつ類推できることがあるので書いておきます。麦茶(パック)には、菌がひそんでいる、ということです。そうでなければ、2の成績が悪くなる理由が見つかりません。

煮出して常温放置は3日、水だしは4日以内に飲みきるべき。
煮出して急速冷却→冷蔵庫(緑色)は長くもつ。
引用元:https://www2.ctv.co.jp/news/2019/08/27/62675/

浄水器×麦茶は要注意

この結果を見て、もうひとつ気づくことがあります。浄水器のお水で麦茶をつくるのは、リスクがある、です。やはり浄水器でお茶をいれるとおいしい。これは事実です。でも、浄水器は塩素も除去してしまいますから(だからおいしいのですが)、浄水器のお水で麦茶の水だしをすると、塩素が効いているという水だしの利点が消えることになる。

下の画像は、ベストセラーな浄水器の注意書きです。

塩素を除去すると雑菌がすぐ繁殖する、ということをメーカーもよく知っていて、滞留していた水を流してから使え、と注意喚起しているわけです。それだけ高性能だし、だからおいしいし、すぐに飲む・使うなら安全なんだけれど、時間をおいてしまうと雑菌の繁殖も許す水でもある、ということです。加湿器に入れる水としても向いていません。浄水器の水を加湿器にいれるということは、下手をすると、最初から雑菌まみれの水を入れることになります。

大切なのは菌を増やさないこと

浄水器の水を料理に使うのは、とてもいいと思います。すぐ加熱しますから。その場で飲むのもいいでしょう。「雑菌」の場合、増やすことさえなければ、問題になることはまずありません。この点がとても重要です。菌はふつうに空気中も漂っていて、完全な無菌状態になることなど、まずあり得ません。私たちは菌と共に生きているのです。

頭に入れておきたいのは、菌はある条件が整うと、爆発的に増えるということです。増えれば、ヒトが影響を受けやすくなりますし、増える過程で毒素を出す菌もあります(黄色ブドウ球菌・ボツリヌス菌・セレウス菌など)。耐熱性の毒素だった場合、食べ物を煮沸消毒したところで、やはり食中毒をおこします。

菌が増える条件はいろいろありますが、やはり温度がとても重要です。これを逆手にとったのが冷蔵庫です。冷やすから食品が長持ちするのではなく、菌が増えない温度に保ち、菌の繁殖を防ぐから、変質が抑えられ、健康被害も避けられるわけです。

浄水器を使うのでしたら、塩素を除去することによる副作用(菌を抑制できないこと)を頭に入れた上で、菌が増えないように工夫しましょう。麦茶の例でいえば、浄水器の水を使うなら、煮沸して大半の菌を殺し、芽胞菌が増えない温度にさっさと冷やし、冷蔵庫にいれる、が正しい。かつ、菌が増える前に飲みきれば万全です。

誤解のないように書いておきますが、菌が増えるのは、ヤバイことばかりではありません。納豆菌が爆発すると納豆ができ、乳酸菌が爆発すると漬物やヨーグルトができます。酵母が爆発すると、たくさんガスをつくるので、パンが膨らむわけです。

逆に、一部の菌やウイルス(たとえば病原性大腸菌O-157やノロウイルス)は、数個の菌でも食中毒を引き起こしますから要注意です。O-157やノロウイルスのリスクがある場合は、麦茶相手とはレベルの異なる、徹底した衛生管理となります。

GSEの活用

GSEは、こうした菌・ウイルスとの共存において、ヒトの味方となってくれる物質です。800種類の菌・カビ・ウイルス・寄生虫を抑制する能力があり、かつ、食品添加物(既存添加物)として認められています。

麦茶の例でいえば、BNUHC-18を麦茶ポットにスプレーしておく、という手があります。また、加湿器にはGSEを塩素がわりに高純度精製水に添加したBNUHC-03が向いています。根菜類を料理する前に、BNUHC-18をスプレーするのも、いい方法です。

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