「GSE」という名称は無機的で、いかにも工業製品という雰囲気がしますが、これはGrapefruit Seed Extractの略。グレープフルーツ種子を搾った抽出物のことです。
オリーブの種を搾ればオリーブオイル、椿の種を搾れば椿油になるのと同様、GSEも精油です。舐めると猛烈に苦い。この苦さから抗菌性があると直感し、製造法も開発したのがアメリカに移住して研究をした免疫学者のヤコブ・ハリッチ博士で、1990年代から食品や化粧品に添加物として使われています*1。
「安全」だから使える範囲が広い
GSEはうすめた水溶液にして使います。ほんのり苦みを感じる程度までうすめても、菌・真菌・ウイルスの増殖力を奪う効果(不活化効果)が高いことが特徴。中身は抗酸化物質で、ヒトやペットに安全である上、モノへの影響も軽微です。
しかも、BNUHC-18には本家アメリカのGSE製品にもない特長があります。GSEは精油ですから、水にいれても分離するだけです。そこで通常はグリセリンを添加して水と油をなじませるのですが、BNUHC-18はこの問題を製造法の工夫で解決した「ココチGSE」(ココチプラス株式会社)を採用。世界的にみても珍しいグリセリンフリーのGSE水溶液となっています。つまり、BNUHC-18は100%天然で無添加。純粋なる植物エッセンスなのです。
GSEは安全性の高さから、既存添加物*2に指定されています。だから、使える範囲が広い。感染対策だけでなく、食中毒対策にも有効です。以下、具体的な活用法をまとめます。GSEは使うタイミングも大事です。
買い物後は真っ先に使う
買い物をして帰宅したら、真っ先にBNUHC-18を使ってください。ノーマスクが当たり前になったいま、キャベツやブロッコリやネギなど、裸で陳列されていたものは、買い物客由来の飛沫をかぶっている可能性があるからです。そして、GSEは野菜を腐敗させる菌にも有効なので、最初にスプレーすることで、葉物野菜が長持ちする効果も期待できます。
容器入りや包装されているものは、その後の保管状態次第。サラダ油の予備などすぐに使う予定のないものなら、なにもせずにそのまましまいこみますし*3、すぐに使うパックものは、BNUHC-18をスプレーして拭き取ります。飛沫をかぶっていなくても、「手にとって確認し、また棚に戻す」という行為があった場合、やはり商品は様々な菌・真菌・ウイルスで汚染されているからです*4。
作業の最後に、手指衛生もやりましょう。
料理中に使う
GSEは料理中の「病原体汚染」にその場で対処できる唯一の除菌剤かもしれません。既存添加物ですから、多少、食材に残留しても問題がないことが大きい。匂いの問題もありません。
たとえば、鶏肉は「調理前に水洗いしたりするな」と厚生労働省が注意喚起しています。表面のカンピロバクターが広範囲に飛びちり、コンタミネーションをひきおこすことがあるからです。GSEを使ってください。最初に鶏肉にスプレーし、キッチンペーパーで拭き取るといいでしょう。不活化してからの拭き取りになるので、ペーパーの処理に神経質になることもありません。
豚肉にも牛肉にもリスクはあります。切った包丁とまな板が問題。サラダなど生で食べるものをまず調理してから、最後に肉をさばくだけでも食中毒リスクは減りますが、肉を切ったあとの包丁とまな板にGSEを使いましょう。洗ってからGSEではなく、「GSEを使ってから洗う」です。順番はとても大事。最初に使うことで、病原体の拡散を防ぐことができます。
(なお、鶏肉・豚肉、および牛肉でも挽き肉などの加工肉は表面だけでなく、病原体が中にもいますので、GSEを使ったとしても、しっかり中まで加熱してください。)
料理関係では「ふきん」にGSEをスプレーして使うのもお勧めです。ふきんが病原体で汚染されていると、随所に塗りひろげてしまうことになります。
調理器具の水の衛生管理
普通の生活で、水の衛生管理が問題になることはほぼありません。それは、水道水に添加されている塩素がいい仕事をしているからです。そして、だからこそ落とし穴がある。
水だしのお茶を調べると、4日目くらいから雑菌がわっと増えるのですが*5、これは塩素が抜けてしまうためです。それくらい、塩素は揮発性が高い。そして、この特長から気になるのは、オーブンレンジなどにある水タンクです。スチーム用の水を数日放置すると、雑菌が繁殖していることでしょう。最終的に加熱されるから実害はないと推定できるものの、ちょっと気持ち悪いことは確か。
その対処法として確実なのは、せめて1日おきに水を換えることですが、GSEを使う手もあります。全体の1/3をBNUHC-18にしてみてください。GSEは揮発しにくいので、品質を長く保ちます。
同じ理由で、生け花の水にGSEを加える手もあります。切り花の水を毎日換えると長持ちするのは、雑菌の繁殖を防げるからです*6。墓前の花など頻繁に水をかえられない環境でご活用ください。
最初に使ってから流す
GSEは数秒で菌・真菌・ウイルスを抑制します。調理器具にスプレーし、一呼吸おいて流すといい。これを調理中にもできるのが、GSEのよさです。既存添加物ですから、多少、食材に残留しても問題ない。この特長は、本当に使っていても気が楽です。
カレーやシチューを仕込むときも、根菜類はスプレーしてから洗い、皮をむいて調理することを勧めます。最初に表面についている菌・真菌を不活化してしまえば、そのあとの処理がラクになるし、食中毒リスクも減らせる。GSEはウェルシュ菌のような芽胞菌にも有効です。
「鶏肉は洗うな」という国の注意喚起が示すように、調理中に菌などの病原体が飛び散ってしまうことが大きな問題なわけです。最初にGSEを使うと、飛び散るのは失活した病原体ですから、もうただのホコリです。料理後の清掃で広範囲に除菌をするより、食材という汚染源を最初に処理するほうが効率的。多少、残留しても安全で、匂いで料理を台無しにしたりしないGSEをご活用ください。
ペット対策としてもお勧め
この順番は、ペットを飼っている人にも勧めます。かわいいペットですが、唾液にいる菌がヒトに感染し、敗血症を起こした事例などもあります。また最近は、H5N1ウイルスや新型コロナウイルスがイヌやネコに感染する例が報告されていることも懸念事項です。
給餌に使った容器には、まずGSEをスプレーしてから洗うといいでしょう。GSEは効果に持続性があることから、最後に使いたくなりますが、効果的なタイミングは洗う前です。菌やウイルスを拡散させずに済みます。排泄物の処理でも同じです。まずスプレーしてから始末をする。それだけでリスクを減らせます。
バスルームの天井に使う
つまり、「汚染をひろげてしまう前に使う」のが効率のいい使い方だということです。これは積極的な除菌作戦で、いわばアクティブセーフティ。トイレ清掃にGSEを使うのもお勧め。GSEは除菌効果が持続しますから、日頃からトイレに多用しておくと、汚染のひろがりを抑えられます。
汚染源という意味では、バスルームの天井がそうです。天井にカビがあり、そこから胞子が全体にひろがっている。しかし、塩素系のカビ除去剤で天井を処理するのは、防護服とゴーグルを使いたくなるほど決死の作業。目に入っても髪の毛や衣服に付着しても、後が大変です。
GSEなら、気楽に作業できます。天井を定期的にGSEでケアしておくと、カビの発生がぐっと減るはずです。
直前に使う
これに対して、受動的な除菌作戦もあります。パッシブセーフティ。汚染を前提に、その被害を受けないようにする使い方です。その代表が手指衛生。手指に病原体が付着する機会は無数にあります。しかし、手指から感染する病気はまずありません(傷口がある場合は要注意)。
問題は、その手指についた病原体を、目・鼻・口の粘膜に転写してしまうことです。手を首から上にもっていく前に、手指衛生をすることが大事。手洗いが有効ですが、そんな頻度で手を洗うのは無理。GSEを活用してください。頻繁に使っても手荒れしないことが特長です。


注記
*1
詳しくは「GSE開発物語」を参照
https://furuse-yukihiro.info/2024/04/gsehistory/
*2
「既存添加物」は、安全性が確認されており、製造・販売に許認可を必要としない食品添加物のこと。GSEは一時期、合成殺菌剤成分が含まれているという疑いもかけられたが、その疑惑が晴れた後、アメリカでも同様のGRAS(Generally Recognized As Safe)登録されている。
cf.
既存添加物名簿(GSEは111番)
https://www.ffcr.or.jp/tenka/list/post-12.html
*3
新型コロナウイルスはモノの表面で長寿命だが、購入後数週間在庫するものなら、接触感染を気にする必要はないだろう。研究によっても変異体によっても幅があるが、オミクロン変異体で「プラスチックの表面で8日間」の寿命だとされている。
*4
クレジットカードの履歴から「同じお店で同時刻に買い物していた」集団をピックアップし、新型コロナ陽性となった記録をつきあわせて、小売店で買い物中に新型コロナ感染が起きていることを明らかにした研究が出ている。感染者から5分以内に買い物をした曝露客と、16‐30分前に同じ店舗で買い物をした非曝露客とを比較した。前者のほうが、感染者が多かった。
この研究では「同時刻に買い物をしての感染」が想定されているが、その中には商品が汚染されての感染(接触感染)も多少は含まれていると思われる。
Substantial transmission of SARS-CoV-2 through casual contact in retail stores: Evidence from matched administrative microdata on card payments and testing
https://doi.org/10.1073/pnas.2317589121
*5
「煮出せば、しっかり殺菌できるわけだから、水だしよりも長くもつはず」と考えてしまいがちだが、水だし茶よりも煮出した茶のほうが早く腐る。その日のうちに飲みきったほうがいい。これは、煮沸によって塩素がすっかり抜けてしまうからだ。
*6
花瓶内で雑菌が繁殖すると、それが茎の導管に詰まってしまい、水があがらなくなるのが、切り花の寿命を縮める原因。切り戻しは詰まった導管部分を捨て、再び水があがるようにする行為である。