これほど複数の感染症が流行するのは、かつてない事態です。まずは感染状況グラフを見てみましょう。東京都のマイコプラズマ肺炎とA群溶血性レンサ球菌咽頭炎を例に出します。2023-2024シーズンからいきなり異常事態が進行中であることが一目瞭然です。

マイコプラズマ肺炎の感染者数の推移(東京都)。青が2024年、赤が2025年/2025.3.18現在
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の感染者数の推移(東京都)。緑が2023年、青が2024年、赤が2025年/2025.3.18現在

赤ちゃんや幼児が嘔吐したり熱を出したりするのは、本当に親としても辛いもの。ハラハラするし、病院に行ったほうがいいのか、いや、いますぐ救急車を呼ぶべきかと迷うこともあるでしょう(「#8000」をいますぐスマートフォンに登録してください。子ども医療電話相談の番号です。相談すると救急車を呼ぶ判断も教えてくれます)。

床と近すぎる乳幼児を守る

もちろん、そういう事態に陥らないのが最善です。そのためには乳幼児が過ごす環境から病原体を減らすことです。二つの手段を勧めます。第一は清掃にGSE(Grapefruit Seed Extract)を導入すること、第二は空気清浄機を置くことです。
感染症のほとんどは以下の経路で病原体が身体に入り込むことで感染が成立します。

  • 手についた病原体を目・鼻・口から体内に入れる(接触感染)
  • 空気中を漂う病原体を吸いこむ(IRPs感染*1
  • 飛沫で汚染された料理などを介して体内に入れる(飛沫感染)

この3点の機会を減らせば、そのぶん乳幼児が感染症に罹るリスクを小さくすることができます。

乳幼児の場合、最も気になるのが接触感染です。問題は床と手。新型コロナの感染対策として真っ先に言われたのが、フィジカルディスタンシングと手洗いでした。距離をとることが有効なのは、ウイルス入り飛沫の大半が、すぐに下に落ちるからです。
しかし、乳幼児は飛沫が落ちた床をハイハイしたり、座りこんでおもちゃ遊びをしたりします。それでも手洗いが頻繁なら感染を避けられますが、現実には難しい。そして、汚染されたままの手を舐めたりしてしまうのです。

GSEはこの二つのリスクを減らします。当社のGSE水溶液・BNUHC-18を床清掃にご活用ください。GSEは効果に持続性がありますので、1日1回の清掃でも、落ちてきた病原体を抑制します。トイレ清掃にもお使いください。とくに小学校や保育園・幼稚園に通う上のお子さんがいるご家庭では、床対策・トイレ対策は必須です。

乳幼児の手指衛生にも安心

手の清掃にも有効です。GSEはベストセラー化粧水に保湿剤として添加される植物エッセンスですし、アメリカの病院でGSEを使ったおしりふきを乳児に使ったところ、真菌感染症を防ぎ、おむつかぶれを減らせたという研究*2が出ているくらいで、肌にやさしい。BNUHC-18で濡らしたおしぼりを用意しておき、頻繁に手を拭いてください

広範囲の床清掃に使えること、そして乳幼児の手指衛生に使えることが、GSEの特色です。アルコールを床全面にスプレーすると、可燃性ガスが溜まるので炎上の危険がありますし、匂いの問題もある。
そして子どもは大人と違い、アルコール分解酵素をもたないので、手指衛生であっても急性アルコール中毒のリスクがあります。事実、5歳児がアルコールで濡れた手をなめて意識を失い、救急搬送となった事例もあるのです*3
GSEは口にしての安全性も確認されている既存添加物(食品添加物)です。たとえ手指衛生後の指を子どもが舐めたとしても、(その程度の量なら)このようなリスクはありません。

空気清浄機で浮遊病原体を減らす

続いて、空気清浄機を置くことを勧めます。空気中を漂う病原体(菌・カビ・ウイルスや塵埃)や花粉や黄砂をフィルタリングすることで、様々な病気の感染リスクが下がります*4
空気清浄機はCorsi-Rosenthal Box(以後、「CRボックス」と書く)をDIYするのをお勧めしています。理由は、コストが安いのに効果を期待できるから。高価な高性能空気清浄機を1台置くよりも、4万円くらいでDIYできるCRボックスをリビングにもキッチンにも子ども部屋にも置くほうが効果を期待できます。
cf.
Corsi-Rosenthal Boxのつくり方
https://furuse-yukihiro.info/howtobuildcrbox/

ウイルスなどの病原体はホコリに付着しても浮遊しますし、単独でも空気中を漂います。太陽光がさしこむ部屋でホコリがゆらゆらと浮かんで動いている様子を見たことがあるでしょう。こうした塵埃(じんあい)はブラウン運動をしています。空気清浄機は塵埃を取り除くから、感染リスクを下げるのです。

それだけではありません。CRボックスを使った実証研究では、多くの有害な化学物質を空気中から除去できています。7種類のPFASの濃度が28‐61%低下し、5種類のフタル酸エステルの濃度が29‐62%低下していました*5。こうした実証データを見るかぎり、空気清浄機は感染症を減らすだけでなく、乳幼児の喘息など呼吸器系疾患の発作を減らすのにも有効だと考えられます。

「危ないかも」と思ったら家族がマスクを

ヒトにもペットにもやさしく、急性アルコール中毒のような症状を起こす心配のないGSEが、環境衛生と手指衛生に役立つこと。空気清浄機が効果的であることをご紹介してきました。そしてもうひとつ、「危ないかも」と思ったときは、家族がマスクをして乳幼児と接することを勧めます。

新型コロナウイルスパンデミックで、誰もがマスクをしていた2020‐2022年に、はっきりしたことがあります。冒頭で紹介したグラフをもう一度見てください。2021年も2022年も、「うそ!」と言いたくなるほど感染者が少ないことがわかるでしょう。これは、インフルエンザなども同じです。
症状のない人もマスクをしたら、感染症が激減したわけです。これは、症状のない人から感染がひろがる感染症が多いことの証左です。「症状のある人だけがマスクをすればいい」と言う人がいますが、じつはそれでは遅いわけです。

ものすごく面倒ですが、乳幼児を守るためです。宴会やカラオケ大会や新幹線等長時間の電車旅など、密な空間で多くの人と過ごしたあと、つまり感染リスクの高い行為をした後は、その日を0日として4日間、自宅でもできる限りマスクをするという対応を勧めます。
また、そうでなくても、とくにおむつ交換は

  • マスクをしてあたり
  • 汚物にBNUHC-18をスプレーしてから処分し
  • 終わったあとは石鹸で丁寧に手洗いをする

ことを習慣にしておきましょう。これは乳幼児へ飛沫をとばすのを防ぐと同時に、糞便からの感染リスクを下げるためです。

また、乳幼児のおもちゃを片づけるときなどは、手指衛生を忘れずに。手に付着した病原体をおもちゃにつけないためです。おもちゃそのものも、定期的にBNUHC-18で除菌することを勧めます。乳幼児はおもちゃを口にいれたりもするからです。

カビ対策にも有効

おそらく柑橘類は、カビ(真菌)が大敵だからでしょう。グレープフルーツ種子エッセンスであるGSEは、多くのカビを抑制する能力があります。「定期的にお風呂の壁にBNUHC-18をスプレーすることで、カビが生えにくくなった」という感想を多くいただいています。

カビもまた、乳幼児が体調を崩したり、皮膚に問題を起こしたりする原因となりやすいものです。部屋の中でカビの生えそうなところには、数週間に一度くらいの頻度で、BNUHC-18をスプレーしてください。高温多湿でカビに困っていた沖縄のユーザーからも、「カビが出にくくなった」という声をいただいています。

ワクチンも忘れずに

昭和の中頃までは、七五三は「七つまで生きた/五つまで生きた/三つまで生きたお祝い」をする行事でした。それほど乳幼児の死亡率が高かったということです。そしてその原因のほとんどは感染症でした(麻疹がとくに凶暴で、乳幼児死亡の半分は、麻疹によるものと言われています*6)。

いまはもう、そのような歴史的経緯はすっかり忘れさられ、七五三は純粋にお祝いとして残っているだけです。これを達成できたのは、ワクチンが普及したおかげです。日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュールを確認し、接種することをお勧めします。
推奨の予防接種スケジュール
https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=138

HPVワクチンとmRNA新型コロナワクチンを契機に反ワクチン運動が目につくようになったせいだと言われていますが、麻疹のワクチン(2種混合のMRワクチン)の接種率が下がっており、集団免疫が崩れはじめています。これは世界的傾向で、欧米でも日本でも、再び麻疹が流行しつつある、危惧すべき状況です。

流行していなければのんびり対応しても大きな問題にはなりませんが、麻疹のような厄介な病気が流行しはじめているいまは、緊急度が高い。予防接種スケジュール通りにワクチン接種しておくことをお勧めします。

BNUHC-18は直販サイト(https://bnuhc.shop/)で販売しています。

注記

*1
IRPsはInfectious Respiratory Particles(感染性呼吸器粒子)の略。2024年4月18日に「空気感染」(airborne)という用語をWHOが定義しなおしたもの。それまで専門家は、乾燥したウイルスによる感染を空気感染、乾燥していないが空気中を漂うウイルスによる感染をエアロゾル感染と使い分けていた。このことが誤解を助長したからである。
専門家は「新型コロナウイルスは空気感染ではない。エアロゾル感染である」という、一般人からすると理解不能な発言をしていた。これは上の使い分けによるもので、いずれも「空気を媒介として感染する」ことでは共通しているのに、「空気感染ではない」→「空気感染しない=ウイルスを吸いこんで感染することはない」という誤解を生んだ。
そこで乾燥した飛沫核もエアロゾルもIRPsとしてまとめ、IRPs感染という概念で統一したという経緯である。新型コロナもノロウイルスもインフルエンザもIRPs感染をする。

*2
A Quality Improvement Approach to Perineal Skin Care Using Standardized Guidelines and Novel Diaper Wipes to Reduce Diaper Dermatitis in NICU Infants
https://doi.org/10.1097/ANC.0000000000000795

*3
2022年5月に、島根県で5歳の女の子がアルコール消毒後の手をなめてしまい、急性アルコール中毒で救急搬送されている。このほか、報道はされていないが、目にアルコールが入る事故も多い。フランスではそのせいで、全身麻酔の手術となった事例もある(目にはいったらともかく流水で洗い、眼科医へ)。
cf.
〈注意〉コロナ禍で子どものアルコール中毒事故が急増。アルコール消毒剤、小さじ1杯で命の危険性も【小科医】
https://st.benesse.ne.jp/ikuji/content/?id=136405

*4
13‐15歳の生徒がいる教室に空気清浄機をいれた研究では、空気清浄機なしの場合と比べて、呼吸器系感染症の相対リスクが0.73となっている。
Air Cleaners and Respiratory Infections in Schools: A Modeling Study Based on Epidemiologic, Environmental, and Molecular Data
https://doi.org/10.1093/ofid/ofae169

この研究とほぼ同様の結果を出しているのが、ヘルシンキの保育園に空気清浄機を置いての研究で、置かない保育園に比べて、感染が30%減っている。親が子どもの病気により欠勤した平均日数は、対照群で5.53日、空気清浄機を置いた介入群保育所で3.77日。
The effect of room air cleaners on infection control in day care centres
https://doi.org/10.1016/j.indenv.2024.100007

*5
Does Using Corsi–Rosenthal Boxes to Mitigate COVID-19 Transmission Also Reduce Indoor Air Concentrations of PFAS and Phthalates?
https://doi.org/10.1021/acs.est.2c05169

*6
麻疹は何年もたってからSSPE(亜急性硬化性全脳炎)という悲惨な後遺症を発症することもあるし、治療法はない上に、感染者が獲得していた免疫記憶をリセットするから、感染後に他の病気に感染しやすくなる厄介な病気。ワクチンで防ぐことが強く推奨されている。
また、昭和の時代にワクチンを接種した人は、麻疹ウイルスとの接触機会があり、免疫がそこでブーストされていたが、最近の若い人はブースト機会がないため、ワクチンの効果が早く薄れているという指摘も出ている。世界的に麻疹が再流行しているから、改めて大人も抗体検査をし、必要ならブースター接種をしたほうがいいかもしれない。
cf.
How Measles Destroys Immune Memories
https://www.harvardmagazine.com/2025/03/measles-immune-amnesia

SSPEを発症した場合の経過は、この記事が詳しい。
Measles remains a danger to health even years after an infection
https://www.npr.org/sections/shots-health-news/2025/03/17/nx-s1-5328765/measles-outbreak-health-risk